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ミーちゃん

2006.07.01(06:03) 231




『ミーちゃん その2』

6月に入って、ミーちゃんに大きな変化がみられるようになった。
5月下旬から6月のはじめに1週間ほど留守にしたあとのこと。
授業が始まったのにミーちゃんは来ない。
これが合図だった黒板ふきをいくらぽんぽん叩いても応答なし。
私が留守の間に何かあったのかと、それでも、ご近所をはばかって
「ミーちゃん、ミーちゃん」と小声で読んでも姿を見せない。
せっかくの缶詰が無駄になってしまったわと、がっかりしながらその日は帰宅。
ところが翌日、すっと庭先に影がよぎって、無言のままミーちゃんが姿を現した。
「あ、ミーちゃん、よかった、無事だったのね。」
ミーちゃんはしらっとした顔で私を見てすぐにぷいっと去っていってしまった。
あら?お腹すいてないのかしら?
とは思ったが、昨日用意してきた鮪の缶詰をドライフードに混ぜて廊下においておくと、授業が終わるまでにはなくなっていた。

そしてまたその翌日、出かける直前に長電話が入ってしまい、
遅刻寸前、大あわてで急いで教室に飛び込んだところ、
ミーちゃんも教室の屋根の上からキッチンに飛び込むように入ってきた。
それも“ミャー、ミャー!”とかなり大きな声で鳴きながら。

か細い声で“ミ~”としか鳴かなかったのでミーちゃんと命名したのだが、
ミャーミャーと元気いっぱい鳴くミーちゃんにびっくり!

でも、その元気な声は“いったいどこに行ってたの?”と訴えているようにも聞こえた。

「ごめんなさいね、寂しかった?」

話しかけると、シパシパっと目をしばたたいてお返事する。
留守中は姉がドライフードを与えていたそうだが、それでもきっとミーちゃんは不安だったに違いない。
キッチンでフードをあげても私がその場にいると用心して決して食べなかったのが、私がいてもガツガツポリポリ、上目遣いに私の気配に気を遣いつつ食べている。

時折“ファァー”と威嚇しても、すぐにまたポリポリカリカリ。

そしてまた、一昨日のこと。
キッチンの床に寝そべってくつろぐミーちゃんの姿があった。

「あら、ミーちゃん、そこにいるの?」

またもや目をしばたたいて
“えぇ、ここはなかなかよ!”
(といっているかどうかは不明)

「かわいそうに、ずいぶんつらい思いをしたのねぇ。」

“そうなの・・・・”

「ここは大丈夫よ、私がいるときは安心してね!」

以後、ミーちゃんは私の出勤時間には必ずお出迎えしてくれて
ミャーミャーと大きな声で鳴くようになっている。

接近距離も今や40センチ。

体に触れることができる日もあるいは近いかも・・・


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クレド会報VOL38
「hikoma日記 ミーちゃんその1」


そろそろ1年、ミーちゃんとの出会いから。
 新学期が始まって、落ち着かなくばたばたせわしいとき、確かテーブルにおいたはずのサンドイッチや何かの菓子パンのようなものがなくなることに気がついた。
何事にもうっかりものの私のことなので、もしかしたら持ってきたつもりで家に忘れてきたのだろうなどとのんきに考えていたが、あまり回数が重なるので、さすがにこれはおかしいと気をつけ始めてみると、時折すーーーーっとグレイの猫らしき陰がよぎる。授業中教室の庭先をササッとすぎるのは確かに猫!
 食べ物は注意して戸棚にしまうようにしたが、それでも時間ぎりぎりに教室に駆けつけて、すぐに授業に入ってしまったりすると、やはり持参のフードになどかまっていられない。それならばと、考えを変えてドライフードを用意、器に入れてお台所の床においておくようにしたらいたずらがやんだ。それで教室に着いたときと帰り際に2回フードを与えることにした。
 なかなか姿をはっきり見る機会がもてなかったが、どうもシルバータビーの女の子らしい。エジプシャンマウのような体型、一瞬見たお顔もエジプに似ていた。
 フードを与えてここに居着いてしまっても困るなぁとは思ったものの、優柔不断にぐずぐずとそのままフードを用意すること3ヶ月。7月の夏の講習の時だった。
少しずつ姿を見せるようになっていた“ミーちゃん”が、初めてみーーーーっとかすかにかすかに鳴いた。それも私の顔を見て。あら!ミーちゃん、お声が出るのね。
という感動で名前もその時にミーちゃんと命名。
 
 夏の間はお台所のドアは開けたままだったので、フードをおいておけばいつの間にか来て食べているようだったが、そのうち寒くなって来てドアを開けたままにしておくことができなくなった。加えて大きなブラウンタビーの雄猫がやってきてはあちこちにスプレイしていくようにもなっていた。
 ミーちゃんのためにフードを外に出しておいても、その男の子が来て食べてしまったらと思うとそれもできない。といっていつミーちゃんが姿を見せるかもわからない。
 困ったなぁ、困ったなぁと悩むことしきり。
 
 教室では板書するのに、はじめホワイトボードを使ってみたが、どうもスルスルっと表面を滑っていくような感触のマーカーでの書き心地になじめなくて、昔ながらの黒板(色は緑だが・・・)にチョークに決めていた。
 電動式の黒板ふきも購入してみたが、それもなんだか使い勝手が悪く結局従来の黒板ふきに戻ってしまっていた。ただ、書くことが多いのですぐに黒板ふきは真っ白になってしまい、その都度表でポンポン叩いてはまた授業に戻るのだったが、その音でミーちゃんが出てくることがわかってきた。
 私が黒板ふきをポンポン叩くとすーーーーっとどこからともなく姿を現し、ミ~っとか細い声で鳴く。
そして私は素早くフードを与える。それが日課になった。
 
 冬になって、寒い日にはいったいどこで寝るのだろうと不憫でならず、段ボール箱にホカロンを入れて廊下に用意し、廊下のドアを少し開けてやったりしておいたが、そこで寝るということもないようだった。

 2月に入ってシーズン到来、雄猫が何頭かミーちゃんの周りに来ていたので、またまた悩みの種が増えた。
 子猫ができたらどうしよう?
 4月23~25日、予定日とカレンダーに印を付け、とにかくミーちゃんを手なずけて『避妊』に
持って行かなくてはと必死になった。
 ところが・・・・
 1月のセンター試験から始まって、私立の試験で一番忙しい時期、でも私の悩みはミーちゃんのお産・・・
 どうしてもこうしても、ごく間近にまでは近よるけれど、ミーちゃんは決して体に触れさせない。
マグロの缶詰やなまり節やいろいろミーちゃんの気に入りそうなものを用意して与えながらそーーっと手を出しても、一瞬にして身を翻して逃げていってしまうミーちゃんに、もうなすすべもなく日はいたずらに過ぎていくばかりだった。
 4月に入って、そろそろおなかが目立つ頃だと注意して見始めたが、あまり変わった様子はなく、予定日の4月25日も無事通過。
 出産の心配はなくなった!
 「ミーちゃん、赤ちゃんできてなかったのね、よかったわね。」
 思わずそう声をかけてしまったら、ミーちゃんも私の顔を見て「ミーーーーー」と鳴いた。
“ご心配かけました・・・”とでも言っているように私には思えた。
 
 ミーちゃんは迷い猫?それとも捨てられたの?
 
 でも、飼い猫だったらもっと人になれているはず、それとも飼われていたのに突然放り出されて
強い人間不信になったの?
 
 きっと予想も及ばないようななにか不幸がミーちゃんの上には起こったに違いない。
 最近のニュースでは自分の子供を次々に殺してロフトで白骨化した遺体が見つかったというような常軌を逸する事件が話題となっているくらいなので、小さな「猫」にだったら何がおきても不思議ではないのかもしれない、と書いている私の膝の上には生後50日になる豆タンクのようなおちびちゃんがやってきた。すっかり人を信頼しきって、疑うことがない。机をトントントンとたたくと、どこにいても一目散に駆けてくる。朝と晩、決まった時間になると食事の場に行ってちょこんと待っていたりもする。 
主人の潔さんがおもちゃの“もってこい”を教え始めているので、おもちゃを投げるとくわえて持ってくるところまで覚えた。手の上にそれをぽとんと落とすところまではまだできないが、でも、それもすぐに取得するだろう。

 人を信じ切っている動物の信頼を裏切ることなんて、絶対にできないはず!
 と思う一方、先ほどの例のように母親が自分の子供を殺害してしまうような事件も起こる「人の世」の“あさましさ”には言葉もない。
 動物の世界では、生存の見込みのない子を排除はしても、生きる生命力を持った子を親が殺すということはまずないだろう。
 自然の摂理が大きく壊れてきている、どうもテレビを見ているとそんな気がしてならない。
  
 最近では生徒たちの間でもミーちゃんは人気者。お庭の桃の木に止まって最初に来た生徒に
「ミーーーー」と声をかけるそうだ。
 「先生、今日、僕は先生のお友達に声をかけられました。」
などと生徒から聞かされることが多くなっている。
 
 春が去り夏が来て、また夏が去り秋冬と季節は巡る。
 私は毎日仕事に明け暮れ、相も変わらず週末はキャットショー。
 繰り返す日々の営みの中で、やはりなんと言っても中心になるのは「猫」のこと。
 豆タンクのオチビちゃん、ミーちゃん、誰も皆幸せであってほしい。 






魅せられて・・・バーミーズ


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